『秩父宮』

やっとこさ『秩父宮』を読み終えた。

秩父宮―昭和天皇弟宮の生涯 (中公文庫)

秩父宮―昭和天皇弟宮の生涯 (中公文庫)

最初にこれを読んで、

対論 昭和天皇 (文春新書)

対論 昭和天皇 (文春新書)

芋づる式で読んでみた。
ちなみに原さんの

大正天皇 (朝日選書)

大正天皇 (朝日選書)

も昔読んだ。しかしこの人は何が専門なんだ?鉄っちゃん


で、秩父宮とくればラグビーしか思いつかないというか、
どんな人だったのかまったく知らなかった。
昭和天皇と1つ違いなわけだが、
戦後すぐになくなっているので印象が薄い。


ざっと本を読んだ感想は(秩父宮についてではないのだが)、
陸軍は天皇をどうとも思っていなかったのかなということ。
既成事実を積み上げて天皇の了承みたいなのをとりつけるみたいな感じで
日本はどんどん泥沼にはまっていった。


5.15のあたりから内閣がころころ変わっていくけれど、
そのへんの駆け引きが難しかったというか、
天皇は結局、神輿に過ぎなかったんじゃないかなと思えた。


日本史は消化授業だったので(笑)詳しい話は不勉強。
さっぱりわからん。
なんとなく天皇は現人神で全権もってるみたいな印象があったのだが、
読んでいくうちになんだか違うような気がしたのだが。
実際どんだけ天皇に力があったのか?
もしかして今とあんまり変わらなかったんじゃなかろうか(笑)


昭和天皇は太平洋戦争開戦当時40歳。
若くはない。でも陸軍のたとえば東条英機なんかは57歳だ。
おっさん相手にどんだけものが言えたものか。


昭和天皇を擁護する気はさらさらない。
本でも指摘されてたが天皇自身もなんとも矛盾した行動をとっていたわけで。
たしか西園寺も陸軍に対する態度が甘い!とかつっこんでたと思うんだけど、
満州で事件が起きてどんどん南下していっても
天皇は結局皇居でぶつぶついってるだけで
陸軍の動きを止めるほどの行動力はなかったようだ。
秩父宮は陸軍でけっこうものをいってたようだが、
実権を持っているわけでもなし、どーにもならなかったようだ。


ほかに印象に残っているのは
戦後まで、昭和天皇秩父宮の母親である貞明皇后が生きていたということ。


戦前戦中戦後、へんな言い方だが、
皇族の印象が昭和天皇と奥さんの印象しかないのだが(昭和が長すぎたからか?)、
天皇の母親1884年明治17年)6月25日 - 1951年(昭和26年)5月17日)
が生きてたってのもなんだかピンとこない話というか、抜けていたというか。
母親を中心に4兄弟はわりとまとまっていたような印象は受けた。
厳しい警備に「頭が変になる」てなコメントを残してたりする割と面白げな人のようだ。


あとは石原莞爾。単純に右翼ってのと『虹色のトロツキー』でみたっけな?
くらいの印象しかなかったのだが、ちょっと本を探してみようかなと思った。