- 作者: 磯田道史
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
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手元にくるのに五ヶ月(笑)
図書館に入ってから一度も棚に置かれたことはないんじゃないかな。
「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」という元禄時代にかかれた
当時の大名243人の人物評価を載せた本(東大史料編纂所所蔵の一冊しか残っていないそうだが)から
光圀、浅野内匠頭と大石内蔵助、池田綱政、前田利家、前田利常、内藤家長、本多作左衛門(この人は別)
をえらんで書かれた本です。
以下本文から引用&メモ
- 「土芥寇讎」とは『孟子』の「君の臣をみること、土芥のごとければ、すなわち、臣の君を見ること寇讎のごとし」=「殿様が家来をゴミのように扱えば、家来は殿様を親の仇のようにみる」
- 「圀」というのは「国は八方に拡がらなければならない」の意味らしい。則天文字。「國という文字は城壁の中で干戈をふるっている絵文字。戦乱を思わせて、よくない」「國のなかの、或は惑に通じる。国に惑いがあってはならない」
- 色におぼれる主君をいさめない家老を不忠の臣と非難。赤穂浅野家の未来を予測(世間の噂でもあったらしいが)。
- 岡山県民にとって池田の殿様はいまだに殿様らしい。
- 本多忠刻(美男)×千姫(美女)の娘・勝姫(池田光政室)も美女
- 二代目池田綱政は万事公家風、元禄の光源氏か?子供は70人(光源氏は3人)。
- 綱政の参勤交代はさながら”学術調査団(=物見遊山)”、紀行文『丁未旅行記(ていび)』など→岡山大学附属図書館の池田家文庫(面白い)
- 前田利家の身長は180cm(平均身長160cm、唐沢寿明は175cmらしい)
- 江戸時代も信長は人気者
- 利家は子育て人育てがうまかった。「子どもを悪くしてしまうのは、親のせいである」「絶対に、子のことを親が悪くいってはいけない。なかでも、他人のまえで自分の子を悪しざまにいうのが一番いけない」子どもに悪いところがあったら、こうしたほうがよいと子ども本人に丁寧に教えてやればよいだけのことだ。親子が仲たがいしてしまっては元も子もないという考え。
- 利長は「目鑑(めがね)がある」
- 戦国時代の日本をさして「実力主義であった」というようなことがいわれる。家柄や慣例にとらわれない人事があったようにいわれるが、戦国日本が実力主義であった前提には、実は、人間の査定能力ということがよこたわっていた。戦国を生き抜くために必要な能力を一つだけあげよ、といわれれば、それは、人目利きである。もともと日本人は「査定」ということが得意ではなく、日本史上、他のことにとらわれず、人の能力を正確に査定して適所に使うという意ことが、うまく行われた時代は少ない。(122-123ページ)
- 『新山田畔書(しんやまだくろがき)』『微妙公御夜話(みみょうこう)』『混見摘写』『三壺記』『松雲公御夜話』=大名はよそでは物を食べないものだ!『名将言行録』
- 隠密の密命を帯びた徳川の付き人
- 重籐の弓。矢筈には「内藤弥次右衛門」弓隊は最前列で戦うので傷だらけ。戦死の危険も高い。
- 容顔秀麗・内藤家長、伏見城籠、討ち死にする際の考え方が硫黄島にこもる栗林中将チック?
- 捨て城の家柄
- 『武家事紀』
- 百舌狩をする少年家康
- 「政府」=御用部屋の家老会議、火鉢の灰で密室人事。殿様には事後報告。
- 内藤繁子(井伊直弼の姉)の絵日記
- 本多作左衛門(鬼作左)と煎人釜(大久保彦左衛門じゃないよ)
- 『武野燭談(ぶやしょくだん)』『岩淵夜話』『明良洪範』
つくづく家康はいやなやつだ。
あとがきには江戸時代の殿様の姿をみていると、現代社会に通底する大切なことがみえる、とある。
近世の大名はやわらかいものばかり食べてあごが退化して虫歯が多かったそうだ(本文には町人よりも武士の男のほうが歯を磨いていたとあるのだが)豊かになれば人間は歌舞音曲と恋愛と宗教にしか興味を持たなくなるのが歴史の法則だそうだ……うー?
これ、「殿様の通信簿2」とか出るのかな。だすなら書き下ろしでお願いしたいな。
読点の打ち方や改行の仕方や122ページの上に引用したあれは司馬遼太郎っぽい・・・これはやめてほしいな(笑)
朝日の連載でおあん物語をとりあげていたけど、戦国時代の女の人はどんな暮らしをしていたのか気になる。
そういえばまえに読んだこの本もおもしろかった。
- 作者: 関口すみ子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/09/01
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「大江戸の姫さま」 関口すみ子さん(本よみうり堂)
ドラマは見てないけどマンガの『大奥』は面白いです。
大奥の男女が逆転します。2巻まででてます。
久しぶりに買ったマンガです。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/09/29
- メディア: コミック
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